約束のあのち

フジロック、初めて行ってきました!
あれからもう1週間か。

フジロックといえば、日本で最大の音楽フェスですよね。
ただ、暑い、大雨になりやすい、会場めっちゃひろい、人多い、陽キャ?、みたいなかんじで、
インドアな自分にはハードルがめっちゃ高い......
お金もチケット+交通費+宿泊費だけで10万くらいはかかるし、自分なんかが行けるのかみたいな感じでした。

ただ、今年はGEZAN with million wish collectiveをどうしても見たいなって思ったんですよね。
普通のライブじゃなくて、フジロックで。


自分はGEZANの熱狂的なファンとは言えないと思うんだけど、今年出た『あのち』っていうアルバムは、
前のエントリでも書いたけどヘビロテしてまして。

『あのち』は、GEZAN with million wish collectiveっていう、GEZANっていうバンドに、
リーダー?のマヒトゥ・ザ・ピーポー(マヒトくん)の友達とかで構成される、
いわば素人のコーラス隊(トロンボーンあり)がくっついた編成で作られたアルバムです。
million wish collectiveは、2021年の、日本のバンドだけでやったフジロックでお披露目されて、
2023年のフジロックを最後に解体されました。

音楽でも何でも、時代に左右されない、マスターピースみたいなものが素晴らしいんだって、昔は思ってたんですが、
ポピュラーな音楽を聴いていると、時代の空気との相乗効果でものすごい力を持つタイプのものが、たまにあるんですよね。
もしかしたら、数年後には誰も聴いてないかもしれないけど、「今・ここ」の解像度がものすごく高いもの。
『あのち』は、自分はそういう作品だと思いました。

コロナや戦争、時代の嫌な部分とか、生きることにつきまとう別れ、死ぬこと、そんな部分と、
今ここに生きていること、めぐりあえたこと、そんな部分、
絶望と希望みたいな、アンビバレントなものの間で絶えず振り張りまわされながら、
でも、その遠心力で加速するみたいに、音楽が、言葉が、ものすごい高みに上り詰めている感じがしたんですよね。

そしてマヒトくんは、そのことに自覚的だと思う。
そのピークを、今年のフジロックのグリーンステージにもってきて、そこで解散する、そういうことを、
あらかじめ思い描いていたと思う。
だから、フジロックで見たかった。

『あのち』の最後から2番目に「JUST LOVE」っていう曲があるんですが、フジのステージの一番最後にやったこの曲は、
西暦を刻み始めてから2023年目の、この時代の、日本の、この政権下の、あの場所で、歌われるべき曲だったな~


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この映像でも、GEZAN with million wish collectiveは、楽しい顔、真剣な顔、いろんな表情の人がいて、多分みんな違うことを考えて違うものを見てる。
でも、一緒にいる。
そしてマヒトくんは、その一緒にいるってことが、ものすごい奇跡なんだってことを知ってて、一秒も無駄にしないように生きてる。

フジロックでこの曲を聴きながら、自分もそっち側に行きたかったなって思ったけど、
この曲の最後でGEZAN with million wish collectiveはいなくなって、
「次は、あなたの、ストーリー、きかせて」なんだよね。

がんばって、生きなくては……。


……あれ、自分めちゃくちゃあつくね? 中学生?

ほんとはイヴ・トゥモアの裸エプロンと、キャロライン・ポラチェックの美しすぎる腋毛について語るはずだったのに笑
そしてGEZANと同じくらい、YEAH YEAH YEAHSも素晴らしかったんだ。

そこら辺はブログじゃなくて、会って話そうか。